日常の生活術

33・家電や車は、10年が買い替え目安の時期?

家電や車は、10年が買い換えの目安の時期?

一般的な見解けんかいとして、家電かでんや車は10年目くらいが買い替えにちょうどいい時期と言われています。

機械に使用されている部品や配線などが、そのくらい経てば壊れやすくなったり切れやすくなったりする確率が急激に上がる摩耗まもう故障こしょう期に入る頃)ので、そのような意見や考え方が多いためです。

その情報源として、「バスタブ曲線(故障率曲線)」という有名な曲線がありますが、曲線上に年数などの数値が記されているわけではありませんので、「何年目からその時期に入ります…」みたいな、確実で正確な根拠こんきょが示されているわけではありません。

これは、完璧なメンテナンスでもしていれば話は別ですが、皆さんも経験などから何となくでもそう感じることもあるのではないでしょうか?

車であれば初回のみ3年ですが、その後は2年おきに「車検」という法定検査が必要になります。

これも7年目(3回目の車検)までは通常使用で劣化れっかする消耗しょうもう品(オイル系統など)以外は、ほとんど交換する機会はないのですが、9年目(4回目の車検)あたりから急激に交換箇所が増えた…みたいな経験もあるのではないでしょうか?

車の異音が発生し始める(ブレーキやサスペンション周りの故障)のも、「3回目の車検後以降に始まることが多いな…」と、私自身の経験でもそうです。

家電であれば、パソコンなどは劣化などとはまた別に、購入時にどんなにスペックが高い(高価な)パソコンを購入していても、「5年経てば古い機能…10年経てばただの鉄の塊(性能や機能が格段に進化を遂げている為に、そのような表現をされる)」なんて言われることもあるくらいです。

スマホやパソコンなどは、10年経てば明らかに見た目や性能に違いが出る代物しろもの

「Web検索」のみや「文書印刷」程度の使用であれば、それでも全く問題なしでしょうけど…。

車も10年前と比較すれば、安全機能のレベルやそれらの装備(標準装備になっているかなど含めて)に関しても差が出ているでしょうね。

10年経てば故障個所も増える

10年目は、目安として切りが良い年数で、ちょうどその頃から故障や修理箇所が多くなる家電や車。

自分の経験で話すと、パソコンのプリンターが動作機能はしかりしていますし、印刷もきれいにしてくれるのですが、10年目(頃)からWi-Fi機能が突如とつじょ使用不可になってしまいました。

調べた結果、原因は基盤にあるようで、修理では購入金額を超えてしまいそうなため、買い換えるしかありません(未だに使っていますが、有線印刷しかできなくてかなり不便です)。

最近ではリビングのエアコンが昨年10年を迎えたばかりでしたが、運転中に「勝手に止まる…」現象が生じ、調べた結果、フラップ(風向き羽)の可動部の故障だとわかりました。

更に、これの修理費用を検索すると55,000円~だという事もわかり、「~」がとても引っかかってしまい、「だったら、いっその事…」と新品に買い替える事を決断しています。

目安にしておけば、変な執着もいらない

先ほどのエアコンでいえば、修理という選択肢も存在したのに、ナゼ「買い替え」を選択したのかは、「修理したからと言って、エアコンはその後10年もつわけではない」という理由からです。

機械にはいろいろな部品やセンサーや基盤などが使用されており、どこかが壊れて修理したとしても、まだ使い続けるという選択は、他の場所(修理していない場所)が壊れる可能性が常に控えていることになります。

時には買い替えをきっぱり決断してしまった方が、快適な暮らしが出来るだけでなく、突然使えなくなる心配やストレスを抱える必要もなくなるのです。

物を大切にすることは、もちろん大切な事でありますが、大切なのは扱い方であって、「長く使うことに執着する事」ではありません。

大切に扱えば(日頃からメンテナンスなどをしっかりすれば)、自然に使用できる期間も長くなるものです。

ただ、注意しなくてはいけないのは必ずそうなるのではなく、そうなるかもしれない可能性が上がるだけ…だという事も承知しておかねばなりません。

製品の使用状況や使用時間や使用場所などの環境によっても、交換時期には大きな影響を与えるからです。

しかし、使用時間が短くすれば長持ちするというものでもなく、「経年けいねん劣化れっか」といって時間の経過によって自然に劣化していく現象もあります。

実は、そこまで極端な進化を遂げているわけでもない?

家電量販店などでは、「そろそろ買い替えかな…と思って…」というスタンスでお店に行くと、「最近の家電は性能も消費電力も格段に上がっているので、是非ぜひこのタイミングで購入しましょう…」のように勧められます。

けれど実は、そこまで極端な変化を遂げているわけでもありません。

例えば、冷蔵庫の現在と10年前の消費電力と電気代を比較(同メーカー・同型)をすると、(60kWh~145kWh/年間)金額であれば、(1,950円~6,000円/年間)程度の違い。

↑ ※ 経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ」・2013年と2023年の比較

※ 目安の数値であり、実際の使用環境や電力料金プランによっても差が出ます

容量やグレードなどにもよりますが、年間でみれば電気代でそのくらいの違いです。

安価の小型冷蔵庫を購入すれば話は別ですが、買い替え後の電気代で購入価格のもとが取れるようなことは、ほぼないでしょう。

他の家電でも電気代は、10年前よりも安くなっているのは間違いないですが、10年目を迎えたからと言って、壊れてもいないのにそれを理由にしただけで買い換えるのは次期じき尚早しょうそうだと思います。

最近の変化は…

最近の家電は、わかりやすい変化として「AI機能」が備わったものが多いです。

しかし、現状であれば、AI機能が付いている冷蔵庫や洗濯機などは、はっきり言わせてもらって「それがなくても、そこまで結果に違いが出ませんよね?」と、思ってしまいます。

例えば冷蔵庫であれば、保存方法の提案やレシピの提案をしてくれます…

洗濯機であれば、選択コースの自動選択であったり、衣類ケアなどをしてくれます…

…特に欲しかった機能ではありませんし、やはり必要な機能だとは感じられません。

そんなAI機能でも、エアコンだけは違います。

私のようにつけっぱなしが多い方は、「AI機能」で常時運転しているとかなりの節電効果があるようです(カメラやセンサーで室内状況を最適調整している為)。

それは、私自身が先ほど交換したと紹介した、リビングのエアコンでも感じます。

個人的なひいきで三菱エアコンには信頼を置いているので、同メーカー同サイズ、後継機種を購入していて、その違いをはっきり感じるほど。

特に人感センサーの反応が、旧型より的確てきかくになったような気がします。

「AI機能」に限らず、家電の新規購入や買い替えのタイミングで、目新しい商品で最新機能を備えておきたいのであれば、高額でも最新型の商品で良いですが、「その機能は本当に自分に必要で、使いこなせるのか?」は、しっかりと見極めてから購入しましょう。

まとめ

結論としましては、家電や車の買い替え時期を、10年目安にするのは大いに賛成です。

壊れやすい時期でもありますし、未練を残さない程度の使用期間でもありますし、何より10年スパンを目安にすれば購入の為の準備期間(購入資金など)も得られます。

ただ、「10年経ったから…」とか安易な理由ではく、必要があってこその購入(買い替え)が良いですね。

「ナゼその商品(機能)が必要なのか?」を。

最新型の最新機能だけが素晴らしいわけではないですし、家電や車は購入にそれなりの金額を要するものがほとんどであります。

購入後に後悔することが無いように、最先端の新型ばかりを追いかける衝動しょうどう買いのような購入の仕方ではなく、必要機能をしっかり吟味ぎんみしてから購入しましょう。